運輸業

相鉄グループの基幹事業である運輸業を鉄道業1社とバス業1社で行っています。

相鉄線年間輸送人員
約1億7,000万人
相鉄バス年間輸送人員
約2,548万人
  • 特に注記のないものは2021年5月31日現在の内容です。
  • 新型コロナウイルスの影響により、一部運用を変更していることがあります。

相鉄線の概要

JR線との相互直通運転により、都心へのアクセスが向上

相鉄線は、横浜~海老名間(本線) 24.6kmと二俣川~湘南台間(いずみ野線)11.3kmに加え、西谷~羽沢横浜国大間2.1kmが開業したことで合計38kmの旅客線となり、相模国分~厚木間(厚木線)2.2kmの貨物線との合計40.2kmで営業しています。2020年度の輸送人員は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響により1億7千万人(前年度比25.2%減)、1日平均では47万人になります。2019年11月に相鉄・JR直通線が開業し、JR線との相互直通運転を行っているほか、相鉄・東急直通線の開業を2022年度下期に予定しており、同線の開業により、東急線との相互直通運転を予定しています。

1日平均各駅乗降人員
※羽沢横浜国大はJR線連絡人員(通過人員19,349人)を含みます。

設備投資

安全で快適な輸送サービスを提供するため、この10年間で877億円の設備投資を行ってきました。安全性向上を基本に、多様化するニーズに対応するため、環境対策を含めた輸送サービスの向上に努めています。

設備投資額の推移(百万円)

路線図

相模鉄道本線(星川駅~天王町駅) 連続立体交差事業

踏切を減らし安全性を向上

相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業は、星川駅と天王町駅を含めた約1.8kmを高架化し、交通の円滑化による都市機能の充実を主な目的とする横浜市の都市計画事業で、2002年度から事業が進められ、2018年度に上下線の高架化が完了しました。
高架化により、9カ所の踏切を除却するとともに道路を含めた周辺地域を整備することで、安全性の向上と交通の円滑化、地域の一体化などを図ります。
現在は、星川駅や天王町駅の改修のほか、周辺道路の整備などを進めており、2021年度に完了する予定です。

高架化区間(星川駅付近)

踏切を減らす(連続立体交差事業)

相鉄線の安全対策

全駅へホームドアを設置

全てのお客さまに安心してご利用いただけるよう、相鉄線全駅へのホームドアの設置を進めています。相鉄線で最も乗降人員が多い横浜駅には2017年2月、二俣川駅には2021年2月、大和・湘南台駅には同3月、西谷駅には同6月に設置が完了しています。また、ホームドアと列車のドアのズレを最小限にするため、列車を自動で停車させるシステムTASC(定位置停止装置)の設置も進めています。そのほか、万一に備え、全駅に列車非常停止ボタンを設置しており、ボタン操作により付近を走行中の列車の乗務員に異常を知らせ、併発事故を防止します。

  • ホームドアは、駅の改良工事などに合わせて設置する場合もあります。
  • 羽沢横浜国大駅には開業時(2019年11月)に設置済みです。
大和駅

TTC(総合運行管理)

TTC(Total Traffic Control)とは、列車の運行に関する情報を一元管理するシステムで、相鉄線では運輸司令所において全線の運行状況を監視し、運行管理を行っています。
相鉄線のTTCは、中央分散方式を採用するとともに全ての機器を二重系として、システムの信頼性を確保しています。機器間の伝送には高速度の光ファイバー回線を使用して、信号やポイントの切り換え、列車接続などの詳細まで制御しており、情報提供も迅速・正確に行えるシステムにしています。

運輸司令所

お客さまサービスの向上

サービス介助士の配置

高齢のお客さまや体の不自由なお客さまをはじめ、全てのお客さまに安心・快適にご利用いただくため、2012年11月以降、全駅係員がサービス介助士の資格を取得しています。また、応急手当や救命措置が適切に行えるよう、駅係員をはじめとした全社員が普通救命講習を受講しているほか、2006年から全駅にAED(自動体外式除細動器)を設置しています。

サービス介助士取得のための講習
普通救命講習

リアルタイムで相鉄線運行情報を提供

お客さまにリアルタイムで運行情報を提供できるように総合的な運行情報提供システムを構築しています。相鉄線の運行に10分以上の遅れや運転見合わせが発生した場合、または遅れが見込まれる場合に、ウェブサイト「相鉄グループ」と2013年10月から短文投稿サイト「Twitter(ツイッター)」を利用して運行情報をご案内しています。また、全駅に運行情報を表示する「運行情報ディスプレー」を設置しています。そのほか、12000系と20000系、11000系車両の車内モニターでも運行情報を提供しています。

相鉄線アプリ

相鉄線や他社線の運行情報のほか、相鉄線に運転見合わせなどの事象が発生し、振替輸送が行われた際の迂回ルート検索、相鉄線内の列車の走行位置を表示する機能を備えたアプリです。携帯端末の言語設定による多言語表記(4カ国語)やお問い合わせに対して会話形式で回答するチャットボット(自動会話プログラム)、定期券の購入予約が行える「定期券QR予約システム」なども備えています。また、2021年3月から相鉄・JR直通線の在線情報表示にも対応しました。

相鉄線アプリ

相鉄線の車両

安全性・快適性を追求

相鉄線の車両は、全てアルミ合金または軽量ステンレス車体です。中でも12000系や20000系車両は、「安全×安心×エレガント」をコンセプトに先進的なデザインを採用しながら、安全性・信頼性の向上を図るとともに、ユニバーサルデザインとバリアフリーに配慮した車両です。「ヨコハマネイビーブルー」で塗装した車両は、2016年から導入を開始。他の車両も順次リニューアルを進めています。

20000系(左)と12000系(右)
20000系(左)と12000系(右)

相鉄の乗合バス

横浜市内と神奈川県央に116系統

相鉄バスは、横浜市内と神奈川県央部を中心に綾瀬営業所(綾瀬市)、旭営業所(横浜市旭区)、横浜営業所(横浜市保土ケ谷区)から116系統のバスを運行しています。
横浜・鶴ケ峰・二俣川・三ツ境・海老名など相鉄線の主要駅や、JR線の保土ケ谷駅・東戸塚駅・中山駅などと住宅地や学校、よこはま動物園(ズーラシア)などを結ぶ身近な足として、人々の暮らしをサポートしています。

路線エリア図

路線エリア図

高速バス

羽田空港・河口湖へ「ハイウェイクルーザー」

二俣川駅北口~羽田空港と海老名駅東口~羽田空港、横浜駅西口~富士急ハイランド・河口湖駅を結ぶ高速バス「ハイウェイクルーザー」3路線を運行しています。
高速バス路線では無線LAN(Wi-Fi)サービスを提供しています。

高速バス

二俣川駅~羽田空港線

バス停
羽田空港(第1・2・3ターミナル)
所要時間(片道)
約50〜60分
担当営業所
相鉄バス(株) 横浜営業所
045-331-1071
共同運行会社
京浜急行バス(株)

海老名駅~羽田空港線

バス停
羽田空港(第1・2・3ターミナル)
所要時間(片道)
約60〜95分
担当営業所
相鉄バス(株) 綾瀬営業所
0467-78-5681
共同運行会社
京浜急行バス(株)、神奈川中央交通西(株)

横浜駅西口~河口湖駅線(レイクライナー)

バス停
東名綾瀬~御殿場駅~富士山
山中湖~富士急ハイランド など
所要時間(片道)
約2時間30分
担当営業所
相鉄バス(株) 横浜営業所
045-331-1071
共同運行会社
(株)フジエクスプレス

高速バス・空港バス

コミュニティバス他

交通不便地区の解消を目指して

海老名市と綾瀬市のコミュニティバス、および大和市の地域乗合交通「のりあい」の運行を受託しています。

海老名市内を走るコミュニティバス

コミュニティバス他

車両数・輸送人員・走行キロ・認可キロ

2020年度には乗合バス13台を新造しました。低燃費で環境に優しいハイブリッドバスも順次導入しています。(2021年3月31日現在)

車両数(台)
285
輸送人員(千人)
25,481
走行キロ(千km)
7,602
認可キロ(km)
265
  • 高速バス、貸切バス、特定バスを除きます。

バスのバリアフリー

全てのお客さまが乗り降りしやすいバスに

床面や扉のステップを低くした「ノンステップバス(160台)」や「ワンステップバス(119台)」、扉側の車高を下げて乗り降りしやすくする「ニーリング機能」を全車に導入しています。

ノンステップバス

停名表示機

お客さまへより分かりやすく

運賃やお知らせなどを静止画や動画で分かりやすく表示するカラー液晶画面の停名表示機を、全ての一般路線バスに設置しています。

停名表示機

IC型金額式定期券「ICトクトクていき」

あらゆるシーンで利用可能

路線バスの片道運賃の金額を設定すると同一金額区間内なら、どの路線(※)でもご乗車いただけるIC型金額式定期券を発売しています。設定金額の区間を超えて乗車する場合は差額を精算することで、乗車できます。

  • 他社のバス、海老名市・綾瀬市コミュニティバス、大和市「のりあい」、深夜急行バス、空港リムジンバス、高速バス、寒川神社初詣直通バスは除く。なお、他社との共同運行区間では、相鉄バス運行便のみご利用いただけます
PASMO

ICトクトクていき・トクトクていき

ほほえみ会員証

ご高齢の方の地域の足として

相鉄バス全路線(高速バスと深夜急行バス、コミュニティバスを除く)を対象に、65歳以上のお客さまが乗車する際に提示すると1回100円(深夜バスは200円)で乗車できる会員証です。有効期間が約3カ月間 の3,300円券と同約6カ月間の5,500円券の2種類を、年4回発売しています。

ほほえみ会員証

ほほえみ会員証

バスロケーションシステム「相鉄バスナビ」

より検索しやすく見やすい表現でお客さまの利便性を向上

バスの現在位置をリアルタイムで把握できるバスロケーションシステムを導入しています。「地図」「路線一覧」「ランドマーク(役所・公園など)」からの検索が可能で、バス停への到着予測時刻をリアルタイムで確認できます。
一般路線バスとコミュニティバス(海老名市、綾瀬市)、大和市の地域乗合交通「のりあい」の検索が可能です。

相鉄バスナビ

バスの安全対策

ドライバー異常時対応システムと先進安全自動車

ドライバー異常時対応システムを搭載したバスを順次導入しています。このシステムは走行中、運転士に異常が発生した場合に作動させると、警告灯やクラクションで周囲に緊急停止を報知しながら、徐々に減速・停止させるものです。また、先進技術を利用して運転士の認知・判断・操作をサポートする衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置、車間距離制御装置といった安全支援システムの導入も進めています。

ドライバー異常時対応システムの操作ボタン
ドライバー異常時対応システムの操作ボタン

安全運転訓練車

運転士の安全確認行動や運転技能などをデータ化して、収集・表示・分析できる安全運転訓練車を導入しています。癖や弱点などを可視化して、安全確認行動や運転技術を向上させています。

安全運転訓練車

バックアイカメラとドライブレコーダーの設置

相鉄バスでは、全車両にバックアイカメラとドライブレコーダーを設置しています。事故防止を図るほか、万一の事故などの際の原因究明や安全教育に活用するなど、安全性向上への取り組みを行っています。

バックアイカメラを設置した車両

安全管理体制

運輸安全マネジメント制度・安全報告書

運輸業を営む2社では、安全管理規程の制定と安全統括管理者の選任を行っています。安全最優先の方針の下、安全管理に関する会議体を設置するとともに、方針策定・実行・チェック・改善のPDCAサイクルを機能させ、輸送の安全を確保する安全管理体制を構築しています。また、輸送の安全に対する取り組みをお客さまにご理解いただくために、毎年「安全報告書」を作成。相鉄グループウェブサイトにて公開しています。

運輸安全マネジメント制度・安全報告書

異常時に備えた訓練を実施

相模鉄道では、異常時総合訓練を実施しています。これは、踏切事故などの不測の事態を想定したもので、社員のほか、警察署や消防署などの関係機関にも参加していただき、避難誘導・事故復旧などの訓練を行っています。
相鉄バスでは、事故・災害対応訓練などを通じて、警察署や消防署などとの連携強化や役割の確認などを行っています。

相模鉄道の異常時総合訓練
相鉄バスのテロ対策訓練

安全への取り組み